今回も前々回に引き続き「同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング 」の中から、翻訳のコツの例をご紹介したいと思います。
今回は「こちら、お口にあいますかどうか」という表現です。
言うまでもなく食べ物を人に送るときに言う言葉ですが、皆さんならどう英語で表現するでしょうか?
日本の学校英語で英語を学んだ典型的日本人ならおそらく「あいますかどうか」という部分に敏感に反応し、「I wonder」という英語表現を思い浮かべるのではないでしょうか?
本書によると実はここが落とし穴で、英語圏の人からすると「おいしくないかもしれないと思っているものをどうしてわざわざ送るのか?」と思われてしまいます。
例によって英訳前にワンステップ「英語らしい日本語表現」を間に挟んで英訳してみると以下の通りになります。
こちらお口にあいますかどうか
↓
おいしく召し上がってください
↓
I hope you’ll enjoy it.
いかがでしょうか?意外に単純というか、ストレートな表現になってしまいました。
私の感覚では微妙な感覚を相手に伝えようをすればするほど、英訳というのは困難になり、かつ相手に伝わりにくいものになってしまう気がします。
自分では英語が苦手だと思っていても、伝えたい内容が明確であれば、意外に簡単に適切な英訳ができてしまったりします。
そういう意味でもこの英訳しやすい日本語表現に直ステップは非常に重要です。
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