昨日、某英会話学校の件について話した際、TOEICの話題が出たので、ついでといっては何ですが、少しTOEICのことについて言いたいことがあります。名付けて、「TOEICの真実!」。また、やや大げさなタイトルをつけてしまいましたが、何のことはない、単なるTOEICに対する管理人の意見です。
このトピックの冒頭にも書いた通り、当コーナーにおいては、英語力を判断する基準としてTOEICを使っています。なぜTOEICかというと、様々な理由がありますが、最も大きな理由は、「TOEICは一般社会人の英語力を判定するのに最も適したテストである」と管理人が勝手思っているからです。ここで注意していただきたいのが、「一般社会人の・・・」というところです。前回書いた様に、某英会話学校のHPに「TOEIC950点でも英会話能力はネイティブの3歳児の会話力しかないのがTOEICの実力です。」ということが書いてありました。確かに総合的な意味での「英会話力」というのは、単にTOEIC950点を取得した日本人より、ちょっと生意気なネイティブの3歳児の方が無いとはいえません、というかおそらくあるでしょう。この点にいては私も異論はありません。
ただし、私が問題にしたいのは、「総合的な」英語力はもちろん大切ですが、果たして一般社会人が本当に「総合的な」英語力を必要としているのかどうか?という点です。一般社会人が何のために英語力をつけるのかといえば、当然海外での旅行や滞在に必要なだから、さらには、海外で仕事をするのに必要なだから、ということになると思います。このような意味での英語力を評価するのに、果たしてネイティブの3歳児を基準とすることに何か意味があるのでしょうか?
単純に数としてのボキャブラリーや表現力を基準にすれば、TOEIC950点の日本人よりも、もしかしたらネイティブの3歳児のほうが勝っているのかも知れません。しかし、一般人が社会生活において必要とするボキャブラリーや、表現の点ではどうでしょうか?単に体の部分の名称や、果物の名前ではなしに、例えば丁寧に何かを聞く表現であったり、社会生活上必要となる書類に使われるボキャブラリーなり表現を知っていることのほうが、一般社会人にとってはずっと重要であり、役に立つはずです。TOEICとはまさにこの点を評価するテストなわけで、何も「総合的な」英語力を評価するテストではないわけです。
つまり、TOEICは流暢な英会話が話せるかどうかを評価するテストではないわけで、あくまで、社会生活上、もしくは職務上必要な「ノンネイティブとしての」英語力を評価するテストであり、この点においては大変よくできた試験だと、私は思うわけです。TOEICで満点を取ったとしても、ネイティブのように流暢な英語を話せるわけで無いのは「当たり前」のことで、むしろ満点を取ったところからが、真の英語学習のスタートなのではないかと私なんかは思います。
確かに、一般社会人に必要とされる英語力を判断する手段として、TOEICが優れた試験だとしても、それを目標として英語学習をするのが果たして適当なことかどうかという問題はあります。これに関しては、私もなんとも言えませんし、様々な意見があってよいと思います。ただし一つだけ言えるのは、何を目標として、どのような学習方法を採用したとしても、最終的にTOEICは英語を使う一般社会人であれば誰でも出来るはずというか、出来て当然の試験だということは言えます。私もアメリカに多少住んでいた経験がありますが、TOEICで出題される内容というのは、英語圏での日常生活において最低限必要とされるものばかりです。
というわけで、TOEICというのは、一般社会人が英語を学習する上で、目標にはしないとしても、英語力の基準として利用するにはよい試験であるということはいえるのではないでしょうか?
最後にもう一点。「TOEICは日本社会だけで通じるタイトルで、世界では全く通じない。 」という事をその英会話学校は主張していますが、一応TOEICは世界60ヶ国で実施されている国際的な資格試験です。就職においてこれが評価されるかどうかは、結局その評価する会社によるわけで、「全く通じない」というのは極端なのではないでしょうか?仮に百歩譲って世界では全く通じないとしても、日本でTOEICを受ける人たちにとって関係してくるのは結局ほとんどが日本の会社なわけですから、その日本でこれだけの知名度があれば、世界で全く通じなくても問題ないんじゃ~ないでしょうか?
いずれにしても、英語の資格試験なんてものは英語学習者の目標やレベルによって使い分ければよいだけの話であって、就職で使える!とか、社内で評価される!ということだったら、TOEICを目標にして勉強しても何も問題ないでしょうし、就職なり、昇進なりしてから、本物の英会話を学びにその某英会話学校などに行けばいいだけの話ですから、何も、ネイティブの3歳児と比べたり、世界で全く通じないなどと、特定の資格試験をけなすことも無いんじゃ~ないでしょうか?
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