この「聞く」練習と平行して行っていただきたいのが、「読む」練習です。日本の過度に「読む」に偏重した学校英語教育の影響で、一般的に日本人の学習者にとって「読む」学習は比較的得意な分野です。特に読解に必要な文法事項に関しては、受験英語をある程度経験した方々にとっては、もしかしたらネイティブ以上に深く理解しているかも知れません。ここではTOEICを念頭において英語力としていますが、文法問題に関して言えば、受験英語も、英検も、TOEFL も大きな違いはありません。それなりに受験英語を勉強した方でしたら、英語関係のどの試験を受けても、少なくとも8割程度はできると思います。因みに、私自身はTOEICのリーディングセクションでは、一問間違ったのみで、ほぼ全問正解でした。
これは私の感想ですが、TOEICというのは、それなりに英語力のある人にとっては全問正解も難しくない、という点で優れた試験だと思います。受験英語などにありがちなひねくれた問題もありませんし、ある程度の英語力があれば、誰でも満点が取れる試験だと感じました。正直なところ、たとえTOEICで満点を取ったからといって、ネイティブのような英語を話せるわけではありません。それはTOEICの公式ホームページにも記載してある通り、TOEICという試験が、「Non-Nativeとして十分な英語力がある」ということを最終的な英語力の判断基準にしているという、試験の性格上当然のことと言えるでしょう。確かに、私自身もTOEICを受験する際にTOEIC用の特別な勉強はしていません。一応、TOEICの公式問題集を取り寄せては見たものの、めくった瞬間やる気がしなくなって、ほとんどやらずに受験しました。
その経験から言えることは、「TOEICの受験勉強は、正攻法で行くべきである」ということです。正攻法というのは、特に受験勉強にありがちな、受験テクニックに走ることなく、真の意味で英語能力を伸ばす方向で勉強すべきだ、ということです。確かにTOEICの試験は、問題数に比べ試験時間が短いため、問題慣れするという意味で、過去問題をやったりすることは必要かも知れません。しかし、それはあくまで問題に「慣れる」ためであり、点数を伸ばすためには、正攻法で英語の勉強をし、トータルな意味で英語力を伸ばす必要があるということです。
大分話がそれましたが、読解の練習においては、まず、基本的な文法事項を理解していることが必要です。これは、どの問題集でもよいので、(TOEICを目標にされているのでしたら、TOEIC関係の問題集が最適)文法の問題集を一冊、正答率が8~9割程度になるまで繰り返すのが、よいでしょう。ノンネイティブが英語の学習をする際に、文法事項を理解することは必須です。難しい文法用語を覚える必要はありませんが、一つのセンテンスにおいて、それぞれの単語がどういう風に結びついているかを理解することは大切です。「お金をかけない」というこのサイトの趣旨からしても、この学習法は、最も効果的、かつ、ローコストな学習法であるといえます。ぜひこれから英語を始めようとお考えの方は、まずここから始めてみてください。
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